ちんちん電車と女学生 2010年6月13日
日曜日の雨の大阪で、ミュージカル「ちんちん電車と女学生」が演じられた。どしゃぶりの雨にもかかわらず、会場は若い方もたくさん来られ、満席であったので、少し驚いた。
お芝居の内容は、本でも出版されているのだが、戦争中に広島で、男性が兵隊にかり出されたので、ちんちん電車を運転したり、車掌を務める女学校の少女達の物語である。
戦争の時代に生まれた彼女達の、美しくも、悲しくせつない生き様を、舞台狭しと、歌い、踊り、実演する姿を観せて戴き、本当に、心から感動し、私の胸の中から熱い想いが、込み上げて来て、そして、何かがはじけた。この戦争の悲惨さと、平和の大切さを、次の世代に、お伝えさせて戴かなければ・・・
私は、芝居の公演が終わるや否や、お約束をしていた、劇場のある駅のすぐ隣の「森ノ宮」の平和博物館「ピース大阪」に、雨の中を急いで向かった。そして、職員さんとお話をさせて戴き、紙芝居仲間のSさんと一緒に、打ち合わせをさせて戴いて、その施設で、これから、平和紙芝居を中心に実演をさせて戴くことになった。
館内では、昭和20年3月の大空襲で、焦土と化した大阪の街の大パノラマ写真等が展示されていた。私の母も、この空襲で焼け出され、大阪市内を南へ逃げたという話を、何時も聞かされていたので、改めて、焼け野原になった写真を見せて戴いて、戦争の恐ろしさを実感した。
原爆も恐ろしい武器で、たった2発の爆弾の投下で、何十万人という尊い命が失われてしまったが、空襲も、母の話を聴かされるにつけ、日本全国の各地が、焼け野原となり、これまたたくさんの犠牲者の方々がおられることを、私達は決して忘れてはならないと思った。
ピース大阪では、大阪大空襲で亡くなられた方々のお名前が刻まれている石碑がある。私達は、こんなに多くの方々の儀牲の上に、今の平和が在るのだ。子供達に、二度と戦争という、悲惨な思いはさせたくない。
私の出来ることは、本当に微々たることではあるが、紙芝居を観て戴くことで、平和の大切さと、生きていることの素晴らしさを、一人でも多くの、来館された方々に実感していただけたら、こんな嬉しいことはない。
楽しい紙芝居もいいけれど、こんな時代だからこそ、本当に命の大切さを、みんなで考えることが必要なのだと、改めて実感するみかんであった。文化が栄える必要条件は、世の中が平和であることである。平和なくして、文化は繁栄しないし、また、滅びてしまうであろう。人間が人間らしく生きる為にも、私達は、今一度、平和を伝えていくことが必要な時代に差し掛かっているのではないだろうか?たった、65年で、あれだけの戦争を風化させてしまっては、亡くなった方々に対して、本当に申し訳ない。
そんなことを考え、今日も一日を生かされていることに感謝しながら、雨のピース大阪を後にした。ここへ来る時に、地下鉄の駅で、二人の少年が、雨の中を釣竿を持って、楽しそうに、魚釣りに行く姿を見て、なにか、ほのぼのとした気持ちにさせられた。平和って、本当にいいものですね。
byみかん
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