ならぬことはならぬものです。 09・6月27日
先日、紙芝居の勉強の為、福島県に行ってきた。勉強会の翌日、会津若松市の日新館を訪れた。ここは、白虎隊で有名な、会津若松藩の藩校である建物を、そっくりそのまま、再現させた、建物である。
平日の午前中と言うこともあって、訪れた観光客は、私と、一緒に同行した彼女の他には、誰も居なくて、ひっそりとした広い館内を、私達は、食い入るように魅せられ、隈なく回った。
中でも、十歳になった藩士の子供達が、初めて習う、「什の掟」は、本当に素晴らしい。その全文を挙げさせていただくと、
什(じゅう)の掟
一、年長者の言うことに背いてはなりませぬ
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一、嘘言(うそ)を言うことはなりませぬ
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一、弱い者をいじめてはなりませぬ
一、戸外で物を食べてはなりませぬ
一、戸外で婦人(おんな)と言葉を交へてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです
一番最後の言葉は、今の時代の価値観とは、大きくかけ離れているが、この掟を毎日、藩校に来ると、声を出して、素読させたのだと聞く。
この教えこそ、今の教育の原点なのではないかと、私は思った。なんで?とか、どうして?という考え方も大切であるが、理屈ではなく、人の道に外れたことをしてはいけないということは、まさしく、「ならぬことは ならぬのです」という、教えが基本となるのではないでしょうか?
古臭い考え方だと、お思いのお方もおられましょうが、現代社会の教育現場の荒廃は、こういう、日本人が古来教えられてきた考え方が、欠落してしまったことが、大きな原因ではないでしょうか?と、私は思います。
何も、旧い考え方を押し付けるのではなく、理屈ではなく、いけないことはいけないのだと云うことを、子供の時にしっかりと、身につけることが、豊かな人間性を育む基盤であるのだと、私は考えるのです。
私自身、こんな偉そうなことを述べさせて戴いておりますが、やはりこんな歳になりましても、母親に生意気な言葉を投げかけているなあと、何時も、自戒の念を抱いているみかんなのです。反省・・・・
byみかん
~みかんのお奨め紙芝居コーナー~
「太陽はどこからでるの」(チョン・ヒュウ 作 ベトナム紙芝居協会)
かにと、さると、しかが、それぞれの立場から、太陽の出て来る場所を言い合って、本当のことを探す為に、出かけることにした。この紙芝居は、ベトナム戦争にも行かれた作者の、チョン・ヒュウさんの、真実を探求することの大切さを謳った、傑作である。決して、太陽の日の出の方角を教える為だけの紙芝居ではないことは、最後の場面の美しい鶏の姿のを観て戴くと、判っていただけるであろう。
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