将棋の味方? 09・6月13日
人間、土壇場に追い込まれると、必ず、其処に、正義の味方が現れることを期待する。今日も、私は、危機に貧した。小学二年生の男の子が、どうしても、うちと、将棋を指したいと、友達の誘いも振り切り、将棋盤の前を離れない。
自慢じゃないが、私は、将棋の駒の金と銀の手の方向もおぼつかない。全くのルーキーちゃんだ。いや、ど素人なのだ。でも、彼は、一生懸命、うちが将棋の本とにらめっこしていると、その本までも、取り上げて、私に将棋の盤に集中させようとする。
気持ちは、嬉しいが、実力がついていかない、情けなさ・・・・こんなことなら、子供の時に、ひょこ回りばっかりせんと、本将棋をしておけば良かった。とほほほ・・・・と、後悔をしかけていた時、「あっ、お兄ちゃん!」と、急に、彼の声が弾んだ。
すると、なんと部屋の出入り口の処に、一人の背の高い、赤マント姿ではなかったが、凛々しい若者が、立っているでは、あ~りませんか?(娘とおんなじタイプの短い靴下はいている)その若者は、どうも、彼の本当のお兄ちゃんみたいで、つかつかと入って来て、有り難いことに、私の座っている方に、腰を降ろしてくれた。(これが、反対やっったら、大変や!)
始めは、うちらの対戦を、なんかよう判らんけど、口で解説してくれとったけど、終いに、指が出の、手が出の、遂には、私は、席を「お兄ちゃん」に譲ることが出来た。ほんま、これこそ、「正義の味方」や「しょうぎの味方」「将棋の味方」・・・・ばんざ~い!ばんざ~い!
「溺れるものは、藁をもつかむ」やのうて、「鬼に金棒?」いや、「苦しい時の神頼み」もう、なんでもええは、「三十六計、逃げるが勝ち」や!
処が、世の中、そんな甘いことあらへんかった。もう一人、傍で、うちらの将棋を見ていた男の子が、これまた、将棋の名手で、なんと、彼と、その名手が、何時の間にか交代してしまったのだ。
そして、私の、予感が当たった。彼は、また新たに別の将棋盤を出そうとしているのだ。どうしても、私と、将棋をやりたいようなのだ。私は、苦し紛れに、「見ている方が、もっと勉強になるから、一緒に身とこ。」と、冷や汗をかきかき、申し上げたが、聞く耳持たず、将棋盤を広げ、駒をもらいに行かれる。万事窮す。そこへ、また、救いの神の、隣の部屋の先生が、彼にお昼ご飯の時間だと、呼びに来られた。
私は、「お昼から、一緒にやろう!」と、言うと、彼は将棋盤と駒を、きちんと揃えて、テーブルの上に置いた。私は、その行動を見て、本当にすまない気持ちになった。そして、お昼の食事を済ませ、約束の時間に、私から、将棋をやろうと、誘いに行った。もう、逃げない。出来ないなら、出来る様に、なってみよう。こんなに、私と将棋をやりたいと想ってくれる、その気持ちが有り難く、この上もなく嬉しい。
「将棋の味方」のお兄ちゃんに、手取り、足取り、教えてもらい、将棋って、先の先迄、見通す能力が要る、凄いものだと、改めて、実感したみかんであった。勿論、まだ、将棋の腕前は、全く皆無で、結局、お兄ちゃんに、至難の技をしなんなりに、指南してもらったのであった。なんのこっちゃ?
byみかん
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