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紙芝居「貝の火」 5月15日

宮澤賢治の作品で、「貝の火」という作品が在る。だいぶ前に、書店で購入していたのだが、或ることがきっかけで、もう一度今日、作品に目を通してみた。

そしたら、この作品は、はるか昔の明治時代に、賢治が書いた作品とは思えない程、現代社会の問題を浮き彫りにしているような内容であった。

うさぎの子ホモイが、ひばりの子を命懸けで助けた。そのお礼だと言って、母ひばりが、貝の火の玉をホモイに渡した。ホモイの父親が、これはどんな鳥やけものでも、めったと持つことが出来ない凄い宝物で、この玉を曇らせることのないように、悪いことをしないように、ホモイに諭す。

ところが、悪いきつねが、ホモイを誘って、人間のパンを盗んだり、弱いもぐらの親子をいじめたりする。だが、貝の火は、全く曇らないどころか、益々美しく光り輝くので、ホモイは、すっかり安心して、きつねと一緒に、網で小鳥達を捕らえようとした。駆けつけた、ホモイのお父さんと、お母さんが、捕らえられた小鳥達を助けたが、時すでに遅し、貝の火は、ただの真っ白い玉に変わっていて、いきなり、パチッと割れると、破片が貝の火を手に持っていたホモイの目に当たり、ホモイは目が見えなくなってしまった。

だが、ホモイのお父さんは、それを嘆くどころか、目は必ずお父さんが治してあげるから、大丈夫だと言って、貝の火の玉がどうして割れて、ホモイの元をを去って行ったのか判って、おまえは幸せなのだということを教えるのであった。

この話は、動物の世界のお話だが、私は、この紙芝居と、そこに書かれている解説を読んで、そうだ、今の人間社会の子供達も、きっとこの貝の火を抱えているようなめに遭っているのではないのかと考えた。初めは純真無垢な心を持っていても、時には、きつねのような悪いことを誘う、世の中の悪を知って、それを乗り越えて生きていくことが、本当の素晴らしい生き方なのだということを、宮澤賢治は、子供達にいいたかったのではないだろうか?

堀尾青史さんの解説の一番最後に、「かわいらしい物語ですが、そういうことを腹にいれて実演してくださると、子どもたちも何かうけとるところがあると思います。」と書かれている。

私はこの作品の内容とテーマを知ることによって、改めて、紙芝居は本当におくが深い。作品の主題を「腹にいれて実演する」という、この紙芝居の実演の真髄を課せられて、これから、紙芝居というものと、向き合っていきたいと、小首をかしげて、「貝の火」の紙芝居を、じっと見つめるみかんであった。

           byみかん

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